平成17年にサービスを開始した飲食店の検索サイト「食べログ」で好意的な口コミ投稿の掲載や順位の上昇を請け負う見返りに飲食店から金を受け取る「やらせ業者」にランキングを操作されている事例があることが4日、運営会社のカカクコム(東京)や飲食店関係者への取材で分かった。カカクコムは現時点でやらせ業者39社を特定しており、田中実社長は「今後は不正業者の業務停止を求めて提訴するなど断固とした措置をとりたい」としている。食べログは昨年11月の月間利用者数が3200万人以上に達し、影響力が大きく、やらせによって客入りの悪い店が“繁盛店”に変身する場合もある。カカクコムは、サイト内の監視を強めるなど対策強化に乗り出した。
都内の飲食店関係者によると、やらせ業者はIT関連会社や投資顧問会社を名乗り、店舗を個別に訪問。「店舗の点数を確実に上げる」などと勧誘し、月間約10万円の報酬で、やらせの口コミを毎月5件ずつ投稿する提案をしたケースがあった。運営会社に把握されない巧妙な操作で、人気店であるかのように見せ掛けるという。
カカクコムは、昨年1月にやらせ業者を確認、最近になってサイト内の運営ポリシーのコーナーに「不正業者が存在することを確認しております」と掲載した。ただ、トップ画面など閲覧者の目に付きやすい場所で、やらせ業者による口コミ投稿の可能性について注意喚起を行っていない。
食べログは一般利用者が投稿した評価を独自の方法で集計、点数表示する。店の感想など口コミも掲載され、人気を集めている。
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